Aです。前にも書きましたが、渡米してからの2年半はひたすら“アメリカ(人)のやり方”に慣れることで精一杯でした。これは主に自分の仕事について言えることです。“自由の国、アメリカ”といってもそこには当然、本音と建前があります。海外でのやり方に興味深く耳を傾けてくれる人は多くありません。
最初のころは、アメリカの診療の問題点や、日本のほうが優れていると思う点があると、その都度意見していましたが、反応はあまり芳しくありませんでした。一つのやり方に慣れている人々に違った視点を持ってもらうのは結構大変なことです。
そんなわけで渡米当初は何とも言えない苛立ちを常に抱えていたのですが、最近では悪い意味で慣れてしまっていました。そんなとき、たまたま外科のスタッフの一人が、“Surgical resident innovation idea competition”の宣伝をしており、いいアイデアには$1,000の賞金が与えられるということを知りました。いままでも院内のメールではこういった小さなCompetitionの知らせがまわっていましたが、無視していました。
自分の中では、仕事にも少し余裕が出てきたため、せっかくだから応募してみようと思い立ちました。といってもものすごいアイデアがあるわけでもなく、日頃から思っていたことで、少しシステムを変えればレジデントの労働環境が改善するようなことをアイデアとして応募しました。
どうせこんなのに応募するレジデントなんてほとんどいないだろうと思い、もしかして賞金もらえるかもと思っていたら甘かったです。こちらのレジデントは、忙しくてもこういうことには積極的に参加します。エンジニアリング出身のレジデントが優れたアイデアを出したようで、自分はあっさり落選でした。
まあしょうがないかと思っていたら、外科のチェアマンから、
“君達のアイデアを実現させるように、委員会をつくるから活動を開始してくれ”
というメールが自分と形成外科のレジデント(彼も落選した)に送られてきました。いずれもレジデントの労働環境を改善させるアイデアを提案したようで、チェアマンもこの機会にいろいろな問題点を抽出して改善したかったようです。
自分にとって、数人のレジデントや医学生などと研究のプロジェクトを組んだことはありましたが、このようにDepartment全体の意見を反映させて、それらを実現させていくというのは初めてです。昨日初めての顔合わせがありましたが、いろいろと面白いアイデアがありそうです。
これまでは、外科プログラムの一員として、与えられた仕事や役割をこなすだけでしたが、これからはもっと自分独自の経験を生かしてプログラムに貢献できればと考えています。ただきつい仕事をこなすだけより、こういった活動が自分の中ではストレスを軽減させるようです。
渡米当初の目標であった、“アメリカから学ぶだけでなく、こちらからも提案して貢献する”ということが実現できればと考えています。
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