2011年9月1日木曜日

一般外科医としての外傷診療 その3

Aです。

9月に入り、とうとう今年もフットボールシーズンの開幕です。
今年のPenn stateの前評判はいまいちですが、なんとかBig TENのタイトルを獲得してもらいたいものです。

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アメリカ南部の中核都市にあるレベル1外傷センター。
金曜日の深夜、ギャングの抗争に巻き込まれた20歳の女性が腹部に銃創(撃たれた)を負ったとのことで運ばれてきた。
院内ではレベル1外傷アラートのポケベルが鳴り、外傷チームほか多くの人がTrauma bayで患者の到着を待ち構えている。

患者が到着、診察するとおへそのすぐ下に1cmほどの傷があるのみである。血圧、脈拍ともに安定。患者の意識も清明である。

次なるステップは?


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普段から銃創というシチュエーションに慣れていないと混乱してしまいそうですが、実際のdecision makingは非常にシンプルです(米国ではロサンジェルスにあるUSC-LAC、最近ではチーフがUSCから移ってきたボストンのMGHも非手術療法をしているようであるが、これらはかなり例外的)。

胸部レントゲン(これも不要という意見もあるが)の後、即手術室。
外傷診療室の滞在時間5分。
手術開始まで10分。

これができるのが外傷センターの条件でしょう。

さて、これが可能な外傷センターが日本にどれだけあるでしょう?

”麻酔科の先生に連絡して!えっ、今手術室が忙しくて、あと2時間くらいは手術できない?”
”今から手術室の当直ナースに連絡しますので、あと1時間は無理です”

日本の施設ではよくあるやり取りです。
これでは、助かる患者も助かりません。

日本では”救急室開腹(手術室がすぐに使用できないため、救急室で手術をおこなう)”ということが学会などで議論されていますが、アメリカの外傷外科医からすれば、??といった感じです。

病院のシステム上、仕方がないこと、といった声が聞こえてきそうですが、”患者中心の医療を提供します”とホームページで謳っているのは、偽りなのでしょうか?実際にその根源を探ってみると、システムではなく”個人レベルの因子”が強く働いている気がするのは自分だけでしょうか?

どのようなチカラが働いているのかは分かりませんが、こういう状況で、”手術室、いつでも受け入れOKですよ”と快く受け入れてくれるような施設を日本で実現するのは、自分が思う以上に困難なのでしょう。


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