2011年10月2日日曜日

医師としての専門を決めるということ

Aです。

今週は、休み明けということもあり、体力的にかなりきつい1週間でした。今日からまた夜勤になります。

韓国系アメリカ人のジェーン(仮名)は、現在医学部の4年生です。
彼女は、カレッジで2年間日本語を学んでいたようで、かなり流暢な日本語を話すことができます。”BoAが好きです”、とか”ヨン様がでているドラマを母と観ました”とか。日本語の練習をしたいようで、こちらが英語で話しているのに、日本語で返してきます。

彼女達4年生は、現在来年後のレジデンシー開始に向けて就職活動の真っ最中です。9月1日から受付が始まり、面接の日程を決めている段階です。

彼女は、一般外科のレジデンシーに応募しています。全米の50ほどのプログラムに応募したとのこと。今までもアメリカと日本のシステムの違いを書いていますが、基本的に日本では、2年間の初期研修が必修化され、その間は、内科や外科、小児科といったローテーションを行います。アメリカでは、そういった期間はありませんが、一般的に、医学部の3、4年生時におこなう実習(クラークシップ)が日本の初期研修とほぼ同程度のレベルと言われています(そこまででなないと個人的には思う)。

日本では、初期研修の後、自分の専門を決めて、大学の医局に属したり、各病院で研修を継続したりしますが、その選択は基本的に自由であり、”皮膚科に進みたいけど、就職できない”といったことは非常に稀です。逆にアメリカでは、各科ごとに採用人数が決められています。そのため、上記のジェーンのように数十のプログラムに応募し、さらに、年末には数十万から百万円近くの出費をして、全米各地での面接を受けて就職活動を行うのが普通です。アメリカ全土でも皮膚科のトレーニングを受けることができるのは、1学年で400名もいません。全米で医学校が150程度ですから、1学年に2、3名程度です。

皮膚科はアメリカの医学生の中でも最難関の1つとされ、以下のNew York Timesの記事にもあるように、相当厳しい就職活動を乗り切らなければいけません。


米国では、皮膚科や形成外科といったスペシャリストの競争率上昇が止まりません。逆に、かつては医学生の進路の中心であった内科や外科といったジェネラリストは、外国の医学校卒業生の占める割合が年々上昇しています。その理由として、給料や労働環境が挙げられますが、実際はもっと複雑であると予想されます。事実、形成外科や耳鼻科のレジデントは、一般外科のレジデントよりも、厳しい当直体制を強いられています。

昨年度の就職状況は以下にまとまっています。


これを参考にすると、昨年の皮膚科(PGY-2)募集は全米で344名、耳鼻科283名、形成外科(一貫コース)70名、内科5121名、小児科2482名、一般外科1108名。

ちなみにPenn State医学部(約150名/年)の昨年の就職状況としては、

麻酔科
皮膚科
眼科
小児科 23
放射線科
救急科 11
家庭医療 11
内科 20
脳外科
泌尿器科
産婦人科 15
整形外科
耳鼻科
形成外科
一般外科 15


明らかに需要と供給のバランスがとれていないのが分かります。


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