Aです。
彼曰く、
それでも米国の一般外科トレーニングは、日本のそれに比べてかなり標準化されています(少なくとも要求される知識の面では)。そもそも日本で一般外科という概念が広く浸透しているかは不明ですが、全国で統一された標準的なトレーニングカリキュラムといったものは存在しません。
11月からしばらく血管外科のローテーションを続けています。今週末も苦手な自宅待機の当直を強いられていますが、今のところは落ち着いています。
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血管外科フェローのトム(仮名)は、中西部のcommunity programで一般外科レジデンシーを終了した後に当プログラムでのフェローシップを開始しました。かれこれ1ヶ月半ほど一緒に仕事をしていますが、彼は一般外科レジデンシーの間にすでに相当な血管外科の経験をしてきているようです。他のフェローと比べて、血管外科疾患に関する基本知識、最新の文献、さらには手術室での振る舞い、技術もかなりのレベルにあるという印象を受けます。
”自分のいた一般外科プログラムでは、例えば内頸動脈剥離術(動脈硬化によって血流が悪くなっている首の動脈を掃除するような手術)の症例も、アテンディングの指導のもとでレジデントがかなりのレベルまで自分で執刀していたよ”とのこと。
当プログラムでは、アテンディングが完全に主導権を握り、”はい、ここ切って、ここ縫って”みたいな感じで、レジデント/フェローが将来的に独り立ちできるようなレベルになるような気がしない。
彼はことあるごとに、当プログラムにおける①フェロー、レジデントの数に対する症例数の少なさ、②レジデント/フェローのautonomy(自律性)のなさ、③アテンディングの手術の遅さ、を嘆いている。
現在、アメリカには250ほどの一般外科プログラムがあり、大きく分けて①大学病院付属プログラム、②コミュニティー(大学と関係しない) 総合病院プログラム、③ミリタリー(米軍)関連のプログラムに分けられる。自分はこのうちほんの数%のプログラムの事情しか知らないが、プラグラムごとのカリキュラムに相当なばらつきがあるという印象を受ける。
- レジデントとして5年間で2000例近い手術を経験するプログラムもあれば、800例ほどのプログラムもある。当然、経験する手術の内容も異なる(ヘルニア、胆嚢手術からより複雑な手術まで)。
- Open surgeryといわれる、いわゆる"old school"な手術法を継続しているプログラムから、鏡視下手術や血管内などの最新の技術を積極的に取り入れているところもある。(他プログラムでレジデンシーを終えた)フェローのほうが、アテンディングより最新手術の経験が豊富などという事態も起こっている。
- 5年目のチーフレジデントがかなりの裁量権を持って、診療を行っているプログラムもあれば、アテンディングの許可なしに指示を変更することができないプログラムもある。
- 移植外科や外傷外科など施設による症例数にばらつきが大きい専門外科では、レジデントの経験にも相当なばらつきがある。肝移植を一回も経験せずに(手術ができるというわけでは決してない)終えるプログラム、相当な腎移植の血管吻合を経験するプログラム。5年間で外傷フェローシップ並の症例を経験するプログラム、外傷の開腹手術を経験しないで終わるプログラム。
- 大学病院付属のプログラムほどレジデントは自分の手術経験に満足しておらず、レジデント終了後に不安を感じているようである。
- さらに彼らは、一般外科というスペシャリティが廃れていくと考える傾向にある。
- 大学病院プログラムのレジデントは、患者のマネジメントについてアテンディングに聞くことを評価が落ちるという理由で恐れる傾向にある。
- 興味深いのは、アメリカ北東部のプログラムに比べて、南部や西部のプログラムではレジデントがより手術経験に満足しており、自分の意見が尊重されると感じていることである。
今後の日本に一般外科医が必要か否かについては、国の大きさや医療システムが
全く異なる米国と同じ基準で考えない方がいいでしょう。
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