Aです。
一般外科レジデントのin-training examinationであるABSITEがやっと終わりました。
しばらく続いていた血管外科のローテーションも今週で終了。
来週からまた外傷・救急外科のローテーションへ戻ります。
先日、血管外科でちょっとしたプレゼンテーションをする機会があり、血管外科領域の外傷について少し勉強してみました。
その他多くの病気と同様に、外傷患者に対しても”保存的”、”低侵襲”といったアプローチが近年の主流になりつつあります。
交通事故に遭ってお腹を強打。
CT検査をしたら肝臓から出血しているとしたら・・・、
出血を止めないといけない、と思うのが普通でしょう。世の中には大胆なことを考える人がいるもので、ほっとけばほとんどが手術しなくても治るということが20年ほど前に分かったのです(実はもっと前から知られていたが主流ではなかった)。最近では、お腹を刺されたり、撃たれたりしても手術なしで様子をみるという施設もあるくらいです。
誤解を招くかもしれませんが、依然として多くの外傷は手術が必要です。ただ一昔前に比べて減少の一途をたどっています。
最近では、大動脈という心臓からつながる大きな血管の損傷も手術しないで自然に治癒するのを待つ、という概念も出てきています。これまでは、胸を大きく開けて血管を取り替えるという手術、最近では血管の中からステントという金属でできた筒でカバーするといった治療がいまだに主流ですが、これから数年後には”何もしないのが一番!”というデータが出てくる可能性も十分あります。
”余分な侵襲を患者に与えない”
当たり前のようですが、実際にそれを行うのは簡単なことではありません。
以前は外傷の手術で出血が止まらなければ止まるまでひたすら手術を続けていましたが、今ではとりあえずガーゼで圧迫して患者をICUに運ぶという治療法が主流であり、患者の予後も改善することが分かっています。
ただ、他の考え方をすればCT検査を中心とした近年過剰に行われている画像検査のために、これまでは診断されないような小さな外傷が見つけられているというのも理由のひとつでしょう。今では交通事故で運ばれた場合、頭から足までのCT検査を受けることも稀ではありません。手術しないでも治るような外傷は以前は診断されてなかっただけという可能性もあります。
自分たちでこういった(そのままにしておけば治ってしまうような、以前であれば見つけられることもなかった)小さな外傷を見つけて、”手術しないでも治る最新の治療法”といっているだけなら、医学の進歩って何なんだろうな?とふと思ったので書いてみました。
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