Aです。土曜日の日勤。
昨晩来院した患者が急変。重症軟部組織感染症が疑われた。細菌検査室からグラム染色陽性の結果が報告されたものの、曖昧な報告だったために自ら細菌室で確認する事に。
アメリカに来てから初めて、約4年ぶりにグラム染色のプレパラートを自ら顕微鏡で検鏡。日本では研修医時代から数えきれないほどのグラム染色をおこないましたが、米国の研修医は一切しませんし、感染症フェローでさえ、標本のつくり方(見方も?)を知りません。
どうやら自ら標本を確認しにくるような輩は他にはいないらしく、週末でただでさえ人手の少ない忙しい合間をぬって検査技師さんが約30分ほど検鏡したり、標本を作り直したりとつき合ってくれました。
グラム染色もそうですが、日本で診療をしていた時には当たり前のようにできていたこと、頭に入っていた知識がどんどん消えていっています。新しい事をその分学んでいるからなのか、それともただ単に自分の努力不足、歳のせい?なのか。。。
研修医の頃は、知識や経験は増え続けていくものとばかり思っていましたが、ここにきて”(意識して自らアップデートしなければ)同時に失われていくもの(特に知識)”ということを実感しています。
ちなみに日本では遅れていると言われていた臨床感染症学。90年代後半から2000年代にかけて米国で学んだ医師達が日本の感染症学を盛り上げていることは若手の医師なら周知の事でしょう。個人的には、日本の医学生、研修医の方が米国の研修医(とくに内科系以外の研修医)以上に感染症や抗生物質の知識は豊富であるし、グラム染色なども積極的におこなっている印象を受けます。かつて米国で学んだ事を日本に持ち込んだ医師達が、古き良き米国の伝統を受け継ぎ、本場米国ではもはやその診療スタイルは見られなくなった、というのは一般外科も一緒かもしれません。



